平素より看護職の教育・育成にご尽力いただき、心より敬意を表します。

当会では、これまで慎重に扱ってきた「面接内容」に関する情報を一部公開するに至った背景につきまして、以下にご説明申し上げます。

【情報公開に至った背景と課題意識】

  1. 地域による情報格差の是正
     首都圏の一部高等学校では、特定の予備校発行の面接質問集が配布されており、内容が大学・専門学校別に詳細に掲載されています。この情報が一部の受験生に限定的に共有されていることにより、地方の受験生が不利になる実態を見過ごすことができませんでした。
  2. 誤情報の流通と情報倫理の課題
     一部予備校等において、受験生の注目を集める目的で、実際の面接意図とは異なる情報や誤解を招く表現(例:オープンキャンパス発言の意図的な編集)が拡散されており、教育機関の信頼性や教育方針を損なう可能性があると懸念しております。
  3. 本来の教育目的からの逸脱への危機感
     本来、入試面接は志願者の適性や誠実な動機を確認する貴重な場です。しかし、形式的な「答え」や模範解答が独り歩きすることで、養成機関の真意が伝わらず、かえって教育機関や現場における離脱・ミスマッチを招く一因となっております。

◎受験生へのメッセージ

予備校等で配布されている「面接一問一答集」のような資料については、必ずしも正解とは限りません。

入学後・入職後に継続的に学び働くために必要なのは、「志望理由の正確さ」よりも、「ご自身の人生経験や価値観に基づいた動機の深さ」であると考えています。

実際、同じ志望校であっても、年齢・経歴・人生経験などによって面接の問いかけや評価軸は大きく異なります。汎用的な模範解答に頼りすぎることは、本来の選考目的に沿わない結果を招く恐れがございます。

何よりも、**「自ら看護の現場に触れ、話を聞き、自分の言葉で考え、志望を定める」**ことこそが、最良の面接対策であり、将来にわたってご自身の糧となると信じております。


私たちは、すべての養成機関の皆さまと共に、看護職の未来を担う人材が「適切な動機と理解を持って」進学・進路選択をできる社会を目指し、今後も誠実に取り組んでまいります。

何卒ご理解とご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。